こんにちは!
毎年100本映画を鑑賞している、映画マニアのyukoです!
先日、伊藤沙莉さんと池松壮亮さん主演の映画、「ちょっと思い出しただけ」を鑑賞してきました。
なぜ見に行ったのかというと、理由は2つほど。
①愛用している映画アプリ、”Filmarks”でめちゃくちゃ評価が良かったから。
②感傷的になりたい気分だったので、過去を題材にした映画を見たかったから(こういう時ありますよね)。
実際に鑑賞してみて感じたことは、
「この設定は前情報が欲しかった!!」と感じた場面があったことと
「この表現は素晴らしいなあ」と思うシーンがあったことでした。
「ちょっと思い出しただけ」は封切りから日が浅いので、
これから作品を見る方のために、あらすじや見どころを解説していきます!
「ちょっと思い出しただけ」のあらすじ
コロナ真っ只中の2021年。
タクシードライバーの葉(伊藤沙莉)は、今日も客を乗せて都内を走り回っていました。
深夜、偶然乗せた客がトイレに立ち寄った施設は、どうやら劇場のような場所。
懐かしい雰囲気に引き寄せられるかのように中に入った葉が目にしたのは、別れた元カレ・照生(池松壮亮)でした。
照生はダンサーでしたが、ケガにより引退。せめてダンスに関わりたいと、現在は照明の仕事をしていたのでした。
誰もいない舞台で、過去の自分の存在を確かめるように踊っている照生。
その姿を見て、葉は次第に過去を思い返していきます。
2人で見た映画、ケンカした夜、毎日通っていた道、プロポーズされた日…
もう戻ることはできないとわかっていても、思い出してしまう「2人の空気感」。
すれ違ってしまった今日から、本当に愛していたあの日まで遡る115分です。
この設定は前情報が欲しかった!見る前に心得るべき、「ちょっと思い出しただけ」の構成とは?
映画を見終わった際、「良い作品だったなぁ」ともちろん思ったのですが、正直、「あれ…?」という感情も残りました。
というのも、私は映画鑑賞前に、あらすじを少し頭に入れていたので、すんなりと世界観に入り込めると思っていたんです。
しかし、なぜか「映画の中で、今いつなのかがよくわからない…」という現象が発生しました。
思い返すと、「恋人同士だった男女が、別れる前の何気ない日常を思い出す映画」みたいな感じであらすじは書かれていたんですね。
私は見逃していたのです、ポスターの小さい文字「ある1日だけで遡る、ふたりの6年間」を…。
この作品実は、照生の誕生日を基準に、1年ずつ過去に戻っていたんです。
つまり、過去6年のうちの6日を映画にしたのが、この作品です。
この情報を知ったとき、思わず「ろ、6年もあったの?!」と思ってしまいました。
映像に、過去に遡っていると気づく要素がたくさんあるので、それをヒントに鑑賞するのも楽しみ方のひとつです。
しかし、時系列の前情報を知っておけば、より映画に集中できたな~と、私的には思いました!
「ちょっと思い出しただけ」の見どころ(以下、一部ネタバレを含みます)
見どころ①観客を過去に引き戻す要素
見どころ1つ目は、観客に「過去に遡っている!」と気づかせる要素の数々です。
「ちょっと思い出しただけ」は、前述したように、1年ずつ過去に遡る構成となっています。
通常、過去に戻る演出は、語り手が「あの頃は~」と回想したり、時計を巻き戻したりする、わかりやすい表現が多い印象です。
それは、「わけが分からなくなる」リスクを回避するためでもあり、観客と同じ速さで物語を進める手段でもあります。
ですが「ちょっと思い出しただけ」では、あらゆる要素で時間を伝えてきます。
例えば、ダンサーが成人から高校生になっていたり、老人の待ち合わせ相手が、過去に失ったパートナーだったり、
何のジョークかわからなかったものが、実は過去のノリから生まれたものだったり。
こういった要素のおかげで、主人公2人の関係からだけでなく、環境の変化からも哀愁を感じ取れる演出となっています。
私がもう一度鑑賞するならば、映画中の出来事をあえて時系列順に思い起こして、本来の時の流れで楽しんでみたいと思います。
見どころ②伊藤沙莉×池松壮亮の空気感
「ちょっと思い出しただけ」は2週間で撮り終わったとのことですが、その期間の短さを感じさせない、2人の空気感が物凄いです。
物凄いというのは、「これ、絶対付き合ってるやん…」と言いたくなるような、THE カップルになりきっているということですね。
他の映画作品でも、恋人同士を主題にしたものはありますが、リアルさのレベルが違います。
例えば、2人がタクシー車内でふざけるシーンなんか、これがもう息がぴったりで。
カップルって、こう言えばこう返す、みたいなノリがあったりするじゃないですか。
長年一緒にいたからこそ出る雰囲気を、伊藤×池松ペアは2週間で出してしまっているんです。
スゴい!!
2人の演技が、過去をより鮮明でリアルなものにし、観客の共感を呼ぶカギとなっているんですね。
まとめ・似た雰囲気の作品紹介
これまであまりなかった、「日常」に焦点を置いたラブストーリー「ちょっと思い出しただけ」。
いかがでしたでしょうか?
過去に浸りたいとき、ちょっとセンチメンタルなときに、私はもう一度見直したいなと思います。
ここからは、「ちょっと思い出しただけ」を連想する作品をいくつか紹介するので、
気分に合うものがあれば、見てみて下さいね!
「ちょっと思い出しただけ」はまだ劇場で上映中ですので、見たい方は是非!ご覧くださいね。
【映像の雰囲気から「ちょっと思い出しただけ」を連想する邦画作品】
・「深夜食堂」(2014年・2016年)
・「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(2017年)
・「世界から猫が消えたなら」(2016年)
・「海街ダイアリー」(2015年)