はぐるま 當間 浩輝

生き方

2019年11月28日。

一人の若者が、あるYouTubeを見ていた。

それは、おにぎりの形の被り物をして、心斎橋を通りゆく人々におにぎりを配っている人の映像だった。

「この人は一体何をしているのだろう」

若者はそう思ったが、そのふざけた外見とは裏腹に、彼の話す内容は人を鼓舞するようなものだった。

―今の世の中、自分の才能を殺していっている人が多いと思う。

―年金とか年功序列とか、自分の人生、自分の行動だけで変えられる世の中では、幻想!

―“できる”って思ってなくても、口に出しておけば夢は叶う

若者は思った。

今の、暗くて、信じられないことが多くて、静かな日本に今、必要なもの。それは彼らみたいな人なんじゃないか。

だから彼らを応援したいし、巻き込みたいし、世界を楽しくハッピーにしたい。

やる気のある人を、もっと上へ。

そうして、若者はフリーペーパーサイトを立ち上げた。

その若者は筆者である。

當間浩輝さんの演説をきっかけに始まったこのフリーペーパーで、ついに彼の記事を掲載することになった。

(取材・撮影 / yuko)

写真真ん中(下)が當間さん

(記事を読むにあたっての前置き)

當間さんは勤めていた消防署を辞めた後、シェアハウスに居住し、シェアハウスのオーナーになることが夢となった。その後、約70万円のクラウドファンディングに成功、ベーシックインカム制度を受けながらシェアハウス「はぐるま」を立ち上げた。

―元々消防士をしていたが、なぜやりたかったのですか?

高校のサッカー部の先輩が高卒で消防士になって、その人の話を聞いて格好いいなと思った。高校が進学校やって、みんな指定校とかで推薦取ってたんやけど、俺勉強できんかったから指定校取れんかってん。取れたとしてもわけわからん大学やったから、それやったら自分でやりたい仕事したいと思って、俺だけ専門学校行ったな。少なからず世間一般的に見たときに、安定とか休みが多いとか給料が安定してるみたいな理由はあって。あんまりその時は今みたいに深く考えんと、職業として良いと思ったな。

―仕事に不満があった?

自由にできひんことが嫌やったし、社会のしきたりの中で生きなきゃいけないから。雇われてても楽しかったなら良かったけど、楽しくなかったし何か生き甲斐を感じないとやっていけなかった。今は楽しいよ。

―仕事を辞めるときに不安は?

不安はなかったんよなあ。なんとでもなるわと思ってたから。俺はホームレスとかになってもいいと思ってて、そういうのも覚悟してたから。堕ちるとこまで堕ちてもやりたいことやりたいなと思った。

―何のあてもなくて辞めちゃった。

何のあてもなくて辞めちゃいました(笑)。何とかなるって思ってたから何とかなったな。やばいと思って辞めてたらやばいよ。

―YouTube(チャンネル名:ギアネクサス)やインスタグラムを更新し続けていますが、何においても、続けることは大変です。そのモチベーションはどこから?

俺も続けることができひんことあるで。他の人から見たら続けてるように見えるんかな。俺は結構サボることもあるよ。でもやりたいっていう気持ちの方が強いんちゃう?勝手に動いててエネルギーが溢れてて、気づいたら食べてなかった寝てなかったみたいな。それが行動の原動力やと思う。やりたいことをやってるだけ。継続しないといけないみたいに思ってなくて。

シェアハウスの壁に貼ってある目標

―やりたいことを見つけられたから良かった。

今までもやりたいことやってきたけどな。スパイダーマンになってお金稼いだりとか。雇われてお金をもらうより、自分で何か価値を生み出してお金をもらうことが、俺の中では生き甲斐になったし学べる事が多かった。消防士って公務員やし、サボってもお金は入る。でも、自分の評価はその数字に直結してたわけじゃなくて、休んでてもボーナスはもらえてたから。それが当たり前の世界で生きてて、そのお金のもらい方しか知らへん中で、環境が変わって、自分が何かをしなきゃお金入らんし生活できひんくなって。どうしたら人って見てくれるんやろ、どうやったら支援してくれるんやろ、どうしたら人はその場でお金落としてくれるんやろって考えた。実際そうやって自分で考えてお金をもらうことに価値を見出して、雇われて生きていく選択をしないと自分で決めて、生きていけてたことが楽しかった。

―お金をもらえて当たり前という感覚は危険でもありますね。

そう、例えば無人島に行って、友達が獲物を捕る方法を知ってたら、みんな恵んでもらう方法を選ぶやんか。それが言うたら、俺が消防士の時の選択肢。そこから一歩踏み出して、自分で色々試行錯誤して失敗を重ねた結果、自分で魚を取れるようになった感じ。人って、価値を感じたりお金入れてあげなあかんなって気持ちがあるからお金入れてくれるわけやん。それが嬉しかった。だって会ったこともない人にそんな感情を提供できてるってわけやん。

―クラウドファンディングの成功はスタートに過ぎません。これからどこに向かいますか?

好きな生き方に向かってる。(キングコングの)西野さんとかが俺の中ではしたい生き方に近いかな。あの人ってオンラインサロン※してて、確か登録者が7万人くらい。その中で例えば、俺が「映画を作りたい」って言ったら、その7万人の中でカメラマンやモデルや脚本家がおって、一緒にやりたいって集まってくる人がおる。集まる人が多かったらより大きなことができる。俺はそういう生き方をしたくて、俺が何かしたいと思ったら、それに賛同する仲間が集まってきて大きなことをできるような。そこに向かう起点が今のシェアハウスで、理想の生き方に近づいていってる。(※ウェブサービスやSNSなどにおける、会員制コミュニティの総称)

話し合う現在の「はぐるま」メンバー

―なぜそれに影響受けたのですか?

好きな時に好きな人と好きなだけ楽しいことできるやん。それが一番俺は好きというか。結局、いくらお金や時間があっても友達おれへんかったら何もできひんやん。一人でできることって、わざわざこのエネルギーに溢れてる20代でやらんでもええやんか、正味。60歳とかでもできるわけやから。今はエネルギー溢れる人たちと何かでかいことやった方が楽しくて、そういう生き方をしてる人が西野さんやからかな。自分と同じ考え方をもってる友達や仲間と、目標に対して試行錯誤してやっていくのが楽しい。戦略立てて試行錯誤して、お互いの価値観知り合って。その過程が目的。何かするときは仲間と色々なことを共有するやん、俺はそこが生き甲斐。そこに幸せがある。

―いくらやってもずっと幸せというか。

失敗しても楽しいかも。悔しいけど。悔しいのも楽しい。死ぬまでそういうことできる時間が多い方が、同じ目的もって上向いて生きる方が良いかなって。

―現状を変えたい人にできることは?

今の世界に希望がなくて、違う世界に行って何かをしたいと思ってるということやから、できることを増やすことちゃう?最近俺がすごく共感した言葉があって。やりたいことがないとか、夢が見つからへんとか、そういう人たちに対して、「夢が見つからへんって言ってるのは逆や」と。何もしてないからやりたいことが見つからへんし、夢を見つけようとすることさえもできてないから、できることを増やしたら夢は見つかるということを言ってて。その通りやと思った。めっちゃ極端に言うと、夢が見つからんとかやりたいことが見つからんっていうのは、赤ちゃんと一緒。赤ちゃんって、夢へのビジョンとかなくて、なんなら何もできんくて知らへんわけやん。そこから歩いたり感情を共有できたりするようになって、やっと自分のしたいことが見つかる。やから、やりたいことより、まずできることを増やさんと。それが現状を変える。それか、今自分ができることをちょっと視点を変えて見てみるのも良くて、掃除好きなんやったら何で私掃除が好きなんやろとか。何か絶対原因があるはずやから。お母さんが綺麗好きだったから、綺麗な家が好きとか。掃除が好きなんじゃなくて、綺麗な環境が好きやったんやとか。そういう、視点を変えたら見えてくることってたくさんあるから。

―自分の視点だと、できることは当たり前で見つけにくい気がします。

俺が思うにそういう人って、すごく主観的なんよ。何かと比べた方がわかりやすいこともあって、たぶん比べる対象を選ぶのがへたくそなんよ。簡単に言ったらできるできないって、自分ができると思ったらできるわけやし、できひんと思ったらできひんやん。その感覚はみんな持ってるけど、わからんくなってしまうのは、基準を持って生きてへんから。例えば、ご飯食べたり寝たりする以外ずっと絵描いてる人がおるとするやん。でもそいつってさ、自分の絵が上手いか下手かって考えへんやん。だって他の絵を見たことないから。そいつが、みんなで集まって絵を描こうってなったときに、周りの人から「あの絵上手ない?」って言われて初めて、「俺って絵上手いんや」って気づくねん。やから、人って比べへんとわからん部分はあるよな。比べる必要はないっていう人もおるけど、その意味はまた違うと俺は思っていて。逆に、好きだったり得意なことっていうのは客観的に他の人と比べてみて、できるかできひんかって考えるのもいいんちゃうかな。そう考えると、下を見ることも意外と大事かな。それで自信がつくんやったら紛れもない自信やし、良くない?だから井の中の蛙でも良いと思う。井の中の蛙の張本人はさ、幸せなんやから。外から見てる人は可哀そうに思うかもしれんけど。

―他人と比べて圧倒的に下だというとき、どうすれば?

何に対してそう思ったかやな。例えば自分がサッカー選手になって、バロンドール賞取りたいと思ったとする。その目標に対して、自分が比べる対象を間違っていたらどうなるか。比べる対象を間違ってるやつの考えっていうのは、バロンドール賞を目指したいのに、イチローの良いところ見て比べちゃってるみたいな人が結構多い気がする。サッカー選手だったら、サッカー選手としての目標や生き甲斐を持てば良いのに、そのことも忘れて、ホームラン打って光ってるイチローを見て、すげえって感化されてしまうんよ。それで頑張るんやったら良いけど、イチローみたいになりたいとだけ思ってしまう人がいる。だから、圧倒的に下やんって思うのって、自分がどこを見て下と思うのかによる。イチローと比べて圧倒的に下なんやったら別に良いわけやんか。フィールドが違うし。でもそれを間違える人も結構おる。選択肢がいっぱいあるし、色んな世界を見れるから、人が光ってるところを目にする機会が多い。インスタでもそう。フォロワーが多い人ってめっちゃ輝いて見えるけど、その一人ひとりには、歩んできたフィールドがあるわけやし、それを支持する人だって違うわけやんか。それをいっしょくたにみんな同じ目線で見てしまってるから、比べなくて良いところを比べてしまいがちなんよ。だから結局わからんくなって、どの人よりも下なんやなって思っちゃう。

―自分の目標を見失わないことが大切ですね。

同じフィールドで自分は下やと思うのはええやん。負けてるんやったら勝つために努力すれば良いだけやし、そういう人は勝つための努力が苦じゃないんよ。欲求やから。

―最後の質問になりますが、自分の肩書は何だと思いますか?

「はぐるま」。歯車ってこう、噛み合ってるから、どっかが止まったら他も止まるやん。誰かが止まったらみんなが止まるようなシェアハウスにしたいのもあるし、このシェアハウス自体が歯車の一角になればいいな。その生き方が俺の理想。新しく入る人も歯車に巻き込まれて、もっと大きく世の中を巻き込めるような、そんな生き方が良いかな。

ただ、今「楽しい」と思うことをする。

その考え方は一見シンプルに見えるが、これまでの彼の人生が出した答えだ。

燃え尽きない好奇心が、公務員から一歩踏み出した彼をここまで連れてきた。

そんな彼の回す歯車は、どこまで世の中を巻き込むのか。

その影響力は、まさに未知数。

クラウドファンディングを支援した身として、最後まで見届けたいと思う。

シェアハウス「はぐるま」のメンバーはまだまだ募集中だ。

<プロフィール>

シェアハウス「はぐるま」代表 當間浩輝(とうまこうき)。

兵庫県神戸市出身。元大阪市消防局消防士。2017年、大阪市消防局に入局。2019年、大阪市消防局を退職。2020年、クラウドファンディング達成、シェアハウス「はぐるま」 設立。現在行っている主な活動は、YouTubeチャンネル「ギアネクサス」など。

<シェアハウス「はぐるま」紹介>

「泥臭く自分の可能性や成長にフォーカスする」をスローガンとし、多くの人がその空間にパワーを貰いに来る。4階建てのシェアハウスのうち全ての階が居住メンバー自身らの行うDIY・リノベーションによって造られ、今後1階に「はぐるまBAR」や「はぐるまCAFÉ」 を導入予定。事業展開としてどうなるかはこれからのお楽しみ。

<當間浩輝 リンク集>

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